五反田と中之島にしかいないフルヒ個体群 ~今わかっている4つのこと~
こんばんは。ひさじいです。緊急事態宣言で東京が指定されていますね。解除されるまで今まで通り自宅で静かに過ごそうと思っております。リタイアしているものですから、幸い、それほどやることはありません。
カクレているフルヒ
さて、私のツイッターのトップ画像ですが、私のフルヒ研究の師匠であるツメ師からいただいた、ボルネオ島のカクレフルヒの生態写真であります。インドネシア領東カリマンタンのマハカム川の上流域で撮影されたものとのことです。
ツメ師から教えていただいたことですが、カクレフルヒは2017年に発見されて以来、ボルネオ島のインドネシア領以外では確認されていない、とのことでした。カクレフルヒは丸い形状をした短毛種で、白い毛が混じる灰色がかった毛色が特徴になります。
日本にもカクレフルヒはカクレていた?
トップ画像の写真をいただいたのは今年に入ってからだったと思いますが、その際に、大変興奮する貴重な情報を教えていただきました。昨年、日本からカクレフルヒに酷似したフルヒが2種類も確認されているそうです。その1つは東京都品川区の五反田付近で採集されたもので、もう1つは大阪府大阪市北区の中之島で採集されたものとのこと。それぞれの場所で複数個体が採集されているようです。
ツメ師の調査では以下のようなことがわかっています。
- 迷入したり放虫されたりしたものではなく、それぞれの場所で繁殖している。(カクレフルヒ五反田個体群とカクレフルヒ中之島個体群と便宜的に呼んでおられます。)
- 五反田個体群は焦茶色の短毛を備えている。
- 中之島個体群は黄土色の短毛を備えている。
- 両個体群とも毛色はボルネオ島のカクレフルヒとは大きく異なっている。
以下の写真は、中之島個体群のもので、この大変貴重な写真を公開することをご了承いただきました。
こうしてみると、確かにカクレフルヒの外観です。2種類が本当にカクレフルヒなのか、なぜ東京と大阪という都会で生息しているのか、原産地はどこなのか、どのような生態をしているのか、2種類ともに川沿いに生息しているのか、疑問は尽きません。ただ、私の身近な場所にフルヒがいると知り、老い木に花咲くような気持ちになっております。観察に出かけられる日が待ち遠しく感じます。